北陸数論セミナー過去の記録(2019年度)

第234回 (2019年6月6日(木)18:15~)
講演
長谷川 寿人 氏(新潟大学)
講演題目
Rationality problem for norm one tori
概要
代数的トーラスの有理性問題について,最近得られた結果を報告します.
この問題はガロア逆問題とも深いかかわりがあり,有理性を弱めた安定有理性,レトラクト有理性という概念が重要になってきます.代数的トーラスの安定(レトラクト)有理性は,指標加群のflabby resolutionを調べることに帰着されます.
本講演では,代数的トーラスの中でも特にnorm one torusについてお話します.星明考氏と山崎愛一氏によって,10次以下のnorm one torusの安定有理性,レトラクト有理性の分類がいくつかの例外を除いて得られていました.講演者は,flabby resolutionを繰り返し用いるというアイデアを用いて,10次で未解決であったA5xC2に対する安定有理性,さらには12次, 14次, 15次のnorm one torusの安定(レトラクト)有理性の分類に成功しました.また,5つのマシュー群や次数が2冪の場合の非有理性に関する結果も報告します.
星明考氏(新潟大学),山崎愛一氏(京都大学)との共同研究(arXiv:1811.02145).
第233回 (2019年5月23日(木)18:15~)
講演
渋川元樹 氏(神戸大学)
講演題目
楕円Dedekind和とその周辺
概要
Dedekind和に関しては, Dedekindによるエータ函数( or テータ函数)といった半整数weightの保型形式のmultiplierの研究に端を発して以来, 相互律をはじめとするDedekind和自身の基本的な性質や諸公式, 格子点の数え上げ等への応用, 更には多重化や指標付きといった種々の変奏に至るまで多くの研究がなされている.
Dedekindが導入したoriginalのDedekind和(古典Dedekind和)はfloor函数の等分値の積和の形で定義されているが, 離散Fourier変換を考えることでcotangentの等分値の積和に書き直すことができる. このcotangentを適切な楕円函数に置き換えたのが楕円Dedekind和で, これに関してもSczech, Ito, Egami, Fukuhara-Yui, Bayad, Machide, et.al.によって多くの研究がなされている.
本講演では, 特にEgamiにより導入されたタイプの楕円Dedekind和に焦点を絞り, 必要となる楕円函数(重さ1のJacobi形式)についての基礎事項を紹介する. 更にそれらを用いて古典Dedekind和の楕円類似(楕円古典Dedekind和)を導入し, 楕円古典Dedekind和について, 相互律以外にわかる, いくつかの数論的性質について述べる.
第232回 (2019年5月9日(木)18:15~)
講演
参加者一同
講演題目
概要
当日は特に講演者を決めず,参加者による短い発表と議論を行った.(主に平林幹人氏(金沢工大),木村巌(富山大)).
第231回 (2019年4月25日(木)18:15~)
講演
北島孝浩 氏(金沢工業大学)
講演題目
超特異還元楕円曲線の偶奇セルマー群について
概要
有理数体上の楕円曲線が超特異還元を持つ場合に, アーベル体の円分 $\mathbb{Z}_p$ 拡大上で, 古典的な形の岩澤主予想を定式化するために, 小林によって偶奇セルマー群が定義された. この偶奇セルマー群の岩澤加群としての構造について, これまでに知られている結果と講演者が得た結果について説明する.
第230回 (2019年4月11日(木)18:15~)
講演
小野塚友一 氏(九州大学)
講演題目
MZV関係式の関数関係式への持ち上げ
概要
多重ゼータ値(MZV)の間には多くの関係式が存在する。これらの関係式は単に整数点でのみ成り立つのか、それともより広い範囲で成り立つ関係式が存在してその一部分となっているのか、という問題が提起されている。この問題に関して、和公式と大野関係式の2つの関係式族についてそれぞれ複素関数関係式への持ち上げができたため、その結果について話す。

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