北陸数論セミナー過去の記録(2019年度)

第243回 (2019年12月19日(木)18:15~)
講演
蛭子彰仁 氏(千葉工大)
講演題目
隣接関係式とその応用
概要
超幾何関数の重要な性質として、隣接関係式を持つことが挙げられる。本講演ではこの性質を見た後、それを基礎にし、超幾何関数の特殊値・変換公式を扱う術を論じる。
第242回 (2019年12月5日(木)18:15~.1階会議室
講演
平林幹人氏(金沢工大)
講演題目
A generalization of Jakubec's formula related to the multiplication theorem for Bernoulli polynomials II
概要
In the previous talk we generalized Jakubec’s formula for the $p$-th cyclotomic field, $p$ an odd prime, to the case of any cyclotomic field. In this talk we generalize his formula to any imaginary abelian number field.
第241回 (2019年11月21日(木)18:15~.1階会議室
講演
山下浩氏(金沢大)
講演題目
実2次体のpartial zeta関数の $s=0$ での値の計算 III
概要
類数1の実2次体上で導手が正整数 $m$ の射類群の射類に対するpartial zeta関数が $s=0$ で取る値が Rademacher の一般デデキント和を用いて表せることを紹介する.
第240回 (2019年11月7日(木)18:15~)
講演
参加者一同
講演題目
概要
当日は特に講演者を決めず,参加者による短い発表と議論を行った.(主に,永野氏(金沢大),木村(富山大)).
第239回 (2019年10月24日(木)18:15~)
講演
甘中一輝 氏(東大数理)
講演題目
局所反ド・ジッター空間の離散スペクトラムの重複度について
概要
局所リーマン対称空間$\Gamma \backslash G/K$上の大域解析, 特に($\Gamma$が算術的な場合の)保型形式の研究は現在に至るまで盛んに行われている. 小林俊行氏はリーマンという仮定を外し, より一般の局所簡約型対称空間$\Gamma \backslash G/H$において「離散スペクトラム」なる概念を定義する事で大域解析の枠組みを提示し, さらに非リーマン特有の現象として"universal spectrum"を見出した.
さて, $G=SL(2,\mathbb{R}) \times SL(2,\mathbb{R})$, $H=\operatorname{diag}(SL(2,\mathbb{R}))$とした時の$G/H = SL(2,\mathbb{R})$はその不連続群$\Gamma \subset G$が「豊富」にある非リーマンな対称空間の最も基本的な例である($\Gamma \subset SL(2,\mathbb{R})$ではない事に注意). 本講演では$\Gamma \backslash SL(2,\mathbb{R})$の「離散スペクトラム」の「重複度」についての結果を紹介する.
第238回 (2019年10月10日(木)18:15~)
講演
佐藤謙 氏(東大数理D1)
講演題目
ある種のKummer曲面におけるレギュレーターの計算
概要
$X$を複素数体の部分体$K$上定義された非特異射影多様体とする。Beilinsonはレギュレーター写像と呼ばれるモチヴィックコホモロジーからDeligneコホモロジーへの写像を定義し、$X$が特に有理数体上定義されている時は、レギュレーター写像の値と、$X$に付随するモチーフ$h^i(X)$のL関数の特殊値の超越数部分とが結びつくことを予想した。本講演では、$X$が複素数体上定義された楕円曲線の直積に付随するKummer曲面の時に、モチヴィックコホモロジーの元を構成し、そのレギュレーター写像による値を計算する。
第237回 (2019年7月25日(木)18:15~)
講演
藤井俊 氏(島根大学)
講演題目
円分体のイデアル類群のマイナスパートの挙動について
概要
$C_n$, $C_n^+$ を $n$ 分体およびその最大実部分体の イデアル類群とし、$C_n$ のマイナスパート $C_n^-$ を lifting map の余核 $C_n^- = \mathrm{Coker}(C_n^+ \to C_n)$ で定義する. $C_n^-$ の位数は $n$ 分体の相対類数と等しく、 古来よく研究されているものである. 本講演では、次の二つの結果について話す予定である.
  1. 任意の有限アーベル群は、ある $n$ に対して $C_n^-$ の 部分群と同型である.
  2. 任意の $n | m$ に対して、 $\mathrm{Ker}(C_n^- \to C_m^-) \subseteq C_n^-[4]$ が成り立つ.右辺は $C_n^-$ の 4-torsion 部分群である.
第236回 (2019年7月11日(木)18:15~)
講演
Dr. M. Emory(U. Toronto)
講演題目
On the local Gan-Gross-Prasad conjecture for general spin groups
概要
In the 1990s, Benedict Gross and Dipendra Prasad formulated an intriguing conjecture regarding the restriction of representations, also known as branching laws, of special orthogonal groups. Gan, Gross and Prasad extended this conjecture, now known as the local Gan-Gross-Prasad (GGP) conjecture, to the remaining classical groups in 2012. In this talk, we will discuss work in progress to extend this conjecture to a non-classical group, the general spin group. This is joint work with Shuichiro Takeda.
第235回 (2019年6月20日(木)18:15~)
講演
大槻 玲 氏(慶応大学)
講演題目
超特異な場合の重さが高い場合の保型形式の $p$ 進 $L$ 関数について
概要
重さ $k$ の固有尖点形式とそのHecke多項式のallowablerootに対して定義される $p$ 進 $L$ 関数は、$a_p$ の付値が正の場合には係数が非有界な冪級数となり岩澤代数の元にはならない。しかし、Pollack、Sprung、Lei--Loeffler--Zerbesなどは、$p$ 進 $L$ 関数を、分母が増大する冪級数と岩澤代数に属する冪級数とに分解する事に成功している。
今回は、Sprungが $k=2$ の場合に用いた手法を $k>2$ の場合に一般化することについてお話ししたいと思う。
第234回 (2019年6月6日(木)18:15~)
講演
長谷川 寿人 氏(新潟大学)
講演題目
Rationality problem for norm one tori
概要
代数的トーラスの有理性問題について,最近得られた結果を報告します.
この問題はガロア逆問題とも深いかかわりがあり,有理性を弱めた安定有理性,レトラクト有理性という概念が重要になってきます.代数的トーラスの安定(レトラクト)有理性は,指標加群のflabby resolutionを調べることに帰着されます.
本講演では,代数的トーラスの中でも特にnorm one torusについてお話します.星明考氏と山崎愛一氏によって,10次以下のnorm one torusの安定有理性,レトラクト有理性の分類がいくつかの例外を除いて得られていました.講演者は,flabby resolutionを繰り返し用いるというアイデアを用いて,10次で未解決であったA5xC2に対する安定有理性,さらには12次, 14次, 15次のnorm one torusの安定(レトラクト)有理性の分類に成功しました.また,5つのマシュー群や次数が2冪の場合の非有理性に関する結果も報告します.
星明考氏(新潟大学),山崎愛一氏(京都大学)との共同研究(arXiv:1811.02145).
第233回 (2019年5月23日(木)18:15~)
講演
渋川元樹 氏(神戸大学)
講演題目
楕円Dedekind和とその周辺
概要
Dedekind和に関しては, Dedekindによるエータ函数( or テータ函数)といった半整数weightの保型形式のmultiplierの研究に端を発して以来, 相互律をはじめとするDedekind和自身の基本的な性質や諸公式, 格子点の数え上げ等への応用, 更には多重化や指標付きといった種々の変奏に至るまで多くの研究がなされている.
Dedekindが導入したoriginalのDedekind和(古典Dedekind和)はfloor函数の等分値の積和の形で定義されているが, 離散Fourier変換を考えることでcotangentの等分値の積和に書き直すことができる. このcotangentを適切な楕円函数に置き換えたのが楕円Dedekind和で, これに関してもSczech, Ito, Egami, Fukuhara-Yui, Bayad, Machide, et.al.によって多くの研究がなされている.
本講演では, 特にEgamiにより導入されたタイプの楕円Dedekind和に焦点を絞り, 必要となる楕円函数(重さ1のJacobi形式)についての基礎事項を紹介する. 更にそれらを用いて古典Dedekind和の楕円類似(楕円古典Dedekind和)を導入し, 楕円古典Dedekind和について, 相互律以外にわかる, いくつかの数論的性質について述べる.
第232回 (2019年5月9日(木)18:15~)
講演
参加者一同
講演題目
概要
当日は特に講演者を決めず,参加者による短い発表と議論を行った.(主に平林幹人氏(金沢工大),木村巌(富山大)).
第231回 (2019年4月25日(木)18:15~)
講演
北島孝浩 氏(金沢工業大学)
講演題目
超特異還元楕円曲線の偶奇セルマー群について
概要
有理数体上の楕円曲線が超特異還元を持つ場合に, アーベル体の円分 $\mathbb{Z}_p$ 拡大上で, 古典的な形の岩澤主予想を定式化するために, 小林によって偶奇セルマー群が定義された. この偶奇セルマー群の岩澤加群としての構造について, これまでに知られている結果と講演者が得た結果について説明する.
第230回 (2019年4月11日(木)18:15~)
講演
小野塚友一 氏(九州大学)
講演題目
MZV関係式の関数関係式への持ち上げ
概要
多重ゼータ値(MZV)の間には多くの関係式が存在する。これらの関係式は単に整数点でのみ成り立つのか、それともより広い範囲で成り立つ関係式が存在してその一部分となっているのか、という問題が提起されている。この問題に関して、和公式と大野関係式の2つの関係式族についてそれぞれ複素関数関係式への持ち上げができたため、その結果について話す。

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